com, net, orgドメインはどうやって取るの?

How can we get a dot com, net or org domain name?


独自ドメインについて

そもそもドメインって?

com, net, orgドメインはどうやって取るの?


 一般トップレベルドメイン(gTLD)と国別トップレベルドメイン(ccTLD)

 com, net, orgドメインは、正しくは「一般トップレベルドメイン(gTLD)」と呼ばれます。

 トップレベルドメインとは、ドメイン名の一番最後の部分のことであり、一般トップレベルドメイン(gTLD)と国別トップレベルドメイン(ccTLD)の2つに分けられます。

 ccTLDとは、国の識別符号のことであり、日本であればjpです。

 トップレベルドメインの一つ上、つまり最後のドット(.)のすぐ前の部分を、「セカンドレベルドメイン」といい、日本では、coとかneなどの組織の属性を識別する符号になっています。従って、団体名や社名などの固有名詞を表すのは、もう一つ前の「サードレベルドメイン」以上ということになります。

 一方、gTLDでは、元々国を識別する符号がないので、セカンドレベルドメインから固有名詞となります。これが、ccTLDを使う場合よりもドット(.)が一つ少ない理由です。


 レジストリとレジストラ


 このようなドメインを管理する機関は、レジストリと呼ばれ、gTLDのレジストリは、アメリカのネットワークソリューションズ社(NSI)です。このレジストリに対し、ドメイン登録の申請を行う業者をレジストラといい、最近までgTLDに関しては、NSIが唯一のレジストリ兼レジストラでした。従って、gTLDに関する業務を独占していた同社をinterNICと呼んでいたのですが、1998年にgTLDを管理する非営利団体ICANNが設立されてから事態が一変、ドメイン登録申請を行うレジストラが、世界中で数十社できあがりました。例えば、日本にも、「お名前.com」(http://www.onamae.com/)のような公式レジストラがあります。

 現在では、gTLDを取得する場合、このようにいくつもあるレジストラのいずれかに申請することによって、登録してもらえます。もちろん、レジストリであるNSI自身、今でもレジストラの1社ですから、ここに直接申し込むことはできます。

 ちなみに、日本のccTLD(jpドメイン)に関しては、JPNICがレジストリ兼唯一のレジストラですから、必ずJPNICに申請します。ただ、この申請手続代行をプロバイダなど多くの業者が行っていますので、JPNICに自ら直接申請する代わりに、こうした業者を利用する方が簡便でしょう。


 レジストラの利用とドメイン維持費


 ドメイン取得、維持に関する費用は、実際のところどのレジストラに申し込むかによって、若干異なります。自由競争が保たれている証です。

 NSIに直接申し込む場合、初回に2年分の維持費(US$70)を前納する必要があります。3年目以降は、年間US$35となります。他のレジストラでは、初回から1年単位での申し込みができたり、その料金もNSIより安いところもあります。また、すぐに稼動する必要のない人のために、とりあえずドメイン名だけを押さえておいて、預かってくれるサービスや、メール転送やレンタルサーバーなど種々のサービスも併せて提供されています。つまり、こうしたレジストラに任せれば、煩わしいことはすべてやってもらえるのです。ただ、ドメイン維持費など見かけ上の費用は安いものの、トータルでみれば決して安いとは言い切れない場合もあるので注意が必要です。

 ドメイン維持に関して最も自由度の高いのが、直接NSIに登録後、自らサーバーを構築することでしょうが、そのためのコンピュータを用意し、自らメンテナンスし、しかも常時接続環境を維持しなければなりませんので、個人で行うのは現実的ではありません。そこで、レジストラや日本の大手プロバイダその他の専門業者のやっているサーバーのレンタルや、転送サービスなどを利用することになります。


 独自サーバー/レンタルサーバー/転送サービス


 独自でサーバーを構築してドメイン運営するのは、家で言えば、自ら土地を取得して自宅を建築するようなものです。つまり、法律に違反しない限り、どんな家を建てようが、基本的には自由です。

 レンタルサーバーを利用してドメイン運営するのは、他人の土地を借地して、そこに自宅を建築するようなもの。地主さん(サーバースペースの提供業者)に対して決まった地代(レンタル費用)さえ支払い、その規約等に従えば、あとは基本的にどんな家を建てるのも自由です。もちろんスペースの広い、狭いの違いや、使い勝手の違いは当然あり、それによってレンタル料も異なります。なお、同じ敷地に様々な家が建っているような状況となるわけですが、訪れる人にはそんな状況はおろか、そこが借地であることすら一目ではわかりません。

 これらの方法以外に、転送サービス(バーチャルドメイン(※注))を利用する方法があります。本当の家は、プロバイダという大きな賃貸マンションの一室にあるのですが、住所にあたるドメインだけは間借りではなく自分固有のものを使用する(例えば、郵便局に私書箱を開設するようなもの)方法です。このやり方だと、見かけ上のドメイン(例えばhttp://www.#####.com/)を訪れたお客は、瞬間的に本来の家の玄関(http://www.*****.ne.jp/~#####/index.htmlなど)に連れてゆかれることになります。つまり、独自ドメイン名と厳密にリンクしているのはトップページだけで、その他のコンテンツのURLは、プロバイダ名がついたままの状態です。

 これを避けるために、フレーム処理といってすべてのページを仮想ドメイン名の枠の中に入れてしまい、訪れた人のブラウザ上の表示が常に仮想ドメイン名となるようなサービスをしてくれるところもありますが、今度は、ページごとの正確なURLが表示されないので、その点が不便になります。

※注:バーチャルドメインという言葉は、業者によっては別の意味で用いられていることがあるので注意。


 以上のうち、どのような形態で運営するかは、各自が一体どこまで自分でやるのか、予算はどのくらいかなどに左右されるでしょう。世の常として、何でも自分でやれば費用は安く済むし(独自サーバーを持つのは次元の違う話だが)、専門家に任せればその分お金はかかるものの面倒がなく、失敗もないでしょう。

 お金を惜しむか、労力を惜しむかの問題ですから、もしお金を惜しむ場合であっても、やる気さえあれば、コンピュータに必ずしも明るくない私のような運営者でも、このように独自ドメインでサイトを構築することはできるのです。

 なお、労力を惜しむというお金持ちの方は、専門業者に任せきりにするのが簡単でいいでしょう。でも、ドメインの運営者となるわけですから、どのような仕組みになっているかくらいは勉強しておくべきでしょう。


 ドメイン名は時々刻々と取られている


 gTLDはアメリカが発祥ということで、英語として意味のある(英単語、熟語など)ドメイン名の取得が困難なのは当然のことながら、最近では日本でもgTLD取得が流行してきた結果、日本語としてローマ字読みして意味をなすドメイン名(当サイトもそうですが)も、かなり無くなってきています。

 ちなみに当サイトのドメイン名であるkanteishiや、kanteiというドメインは、com、net、orgいずれも現在(2000年5月)既に登録済みで、あとは、kanteisiとかkantei-shi、あるいは日本不動産鑑定協会のようにfudousan-kanteishiなんて形であれば、まだ取得可能でしょう。

 他の国家資格では、bengoshi、kaikeishi、zeirishi、shihoshoshi、sharoushiなどはやはり人気が高いらしく、ほとんど完売です。弁理士や行政書士の方は、まだ取れそうです。なお、申請したいと思うgTLDがまだ取得可能かどうかは、NSIのサイト(http://www.networksolutions.com/)で簡単に検索できます。

 また、誰がどんなドメイン名を登録するのも基本的に自由なので、有名企業名の入ったようなドメインを個人で押さえ、それを転売して大儲けしたなんて話も聞きます(このあたりは、今後訴訟になるケースも考えられる)。しかし、ドメイン名も商標のようなものですから、有名企業は、実際には使用していなくても類似ドメインは複数押さえている場合が多いです(orgドメインは比較的人気が低いらしく、意外なものが残っている場合もありますが)。

 例えば、NTTグループは、日本電信電話株式会社がntt.co.jp(とntt.netも押さえている)、東日本と西日本会社がそれぞれntt-east.co.jp、ntt-west.co.jp、NTTコミュニケーションズがntt.com(このドメインは、あっぱれ!です。comとコミュニケーションを掛けてるんですね)。

 sony.comは、ソニーのアメリカ法人だし、nec.comは、やはり日本電気のアメリカ法人でした。つまり、こういったドメインを取って、企業に売りつけようなんて考えは、実際はほぼ難しいってわけ。
(でも例えば、tokyu.comとかhankyu.comなんて、あまり好まれないでしょう。そんな、「どっと混む」電車なんてイメージ悪いから!!)

 いずれにせよ、早い者勝ちの世界なので、思い立ったらすぐとりかかるという行動力は必要です。

 ドメイン取得を検討中の読者の方。お尋ねいただければ、私の知識の範囲内で、よろこんでご協力させていただきます。