当サイトの開設にあたって
「理屈と現実は違う。」
「実務家は机上の空論を振り回してはいけない。」
いずれも、もっともな言説です。
しかし、実務家は、近視眼的に日々の仕事に邁進してさえいればいいのでしょうか?
テレビなどで土地問題が取りあげられることが、よくあります。
しかし、そこに鑑定士が登場することは、あまりありません。
我々が世間を相手にしていないのか。世間が我々を必要としていないのか。
少なくとも、自分の身近な仕事だけに埋没しているようでは、
社会に対して発言すべき事柄など、持てるはずがありません。
医師に、臨床医と研究医がいるように、
専門職業家にも、実務の最前線で活躍する立場と、
理論を構築、発展させて実務に寄与する立場があっていいと思います。
私は、後者でありたいと願っています。
大それたことを発言するつもりはありません。
日々感じたこと、疑問に思ったことをそのままにしたくない。
少なくとも、忙しさを言い訳に、流されることはしたくない。
子供のように常に好奇心を持って世の中を見ていたいから、
「考える」ことを、ライフワークとしてゆきます。
当サイトでは、
私の不動産鑑定士としての拙い実務経験や自主的な研究の中から、
特に興味を持っている話題や論点について、
私なりの意見を展開してゆきます。
諸賢のご指導、ご叱責を賜れれば、幸いです。
1999年12月 堀 田 勝 己