www.kanteishi.net
不動産鑑定士堀田勝己のWEB SITE
HOME site's policy opinion new paradigm papers history of the site renewal links original domain name
new paradigm / 鑑定と金融理論の融合に向けて

金融理論の不動産鑑定への応用をテーマとした小稿集です。

−CONTENTS−

金融工学を独習するためのブック・ガイド 金融工学を独学するために役立ちそうな本を紹介します。 1.文庫・新書、2.入門書、3.専門書・解説書、 4.数学、5.不動産金融工学の各ジャンル別に紹介しています。 すべて私のコメントつきで、難易度表示もしています。

No.1 金利変動と資産価格 金利の変化がファンダメンタルな資産価格に与える影響について。PDF形式で新しいウインドウが開きます。
No.2 資本構成と投資価値〜適正時価評価へのMM定理応用の試み〜 借入金比率の如何によって資産の適正時価は変わるのか。PDF形式で新しいウインドウが開きます。
No.3 地価はランダムウォークするか〜株価のアナロジーで地価を説明する〜 地価変動を確率過程とみなし、将来地価を推定する。PDF形式で新しいウインドウが開きます。
No.4 スプレッドシートを利用した簡易型モンテカルロ・シミュレーションによるダイナミックDCF法 −鑑定実務への応用をめざして− 表計算ソフトの乱数発生機能を用いて、将来収益を確率的に捉える動的DCF法の入門編。PDF形式で新しいウインドウが開きます。
 *本稿の訂正について
 本稿中数式の一部に誤りがあったため訂正しました。
特別編 不動産金融工学 事始め −鑑定理論と金融理論の実践的融合を目標として− 鑑定理論を高度化するための金融工学の基礎理論入門。PDF形式で新しいウインドウが開きます。
No.6 最小二乗法と単回帰分析 金融工学と直接関係はないが、有用なテクニックとしての単回帰分析、最小二乗法の数学的解説。 PDF形式で新しいウインドウが開きます。
No.7 CAPM理論の応用による不動産利回りの査定(積み上げ法) 収益還元法の有効性を保証するため利回りの合理的決定方法のひとつとして、今後不動産投資インデックスが 整備されれば採用が可能。PDF形式で新しいウインドウが開きます。
No.8 リアルオプションアプローチは不動産鑑定評価と整合的であるか 未利用・低利用地も、実はそれが最も合理的であるからこその選択ではないのか。 従来の最有効使用概念では説明できない問題を、リアルオプションの手法で解く。 これを鑑定評価の枠内に組み込むことは可能か。
PDF形式で新しいウインドウが開きます。
No.9 改正不動産鑑定評価基準に準拠した利回りの算定方法〜比較法・積上げ法を中心として〜 2003年1月施行の新・不動産鑑定評価基準では、収益還元法の利回りにつき、種々の算定方法を提示している。 その実務的対応につき、特に統計的手法とファイナンス理論を応用した方法について述べる。
PDF形式で新しいウインドウが開きます。
No.10 不動産投資インデックスの活用による割引率の算定 収益還元法の割引率をより客観的に求めるため、不動産投資インデックスを用いる方法を提示し、 インデックスの整備されていない場合の簡便法についても言及する。
PDF形式で新しいウインドウが開きます。
No.11 リスクを分母に乗せるか分子で考慮するか−鑑定実務における確実性等価法試案− 収益還元法におけるリスクの扱い方には2通りある。これまで鑑定実務では、割引率(分母)に加算する方法を取っていたが、 キャッシュフロー(分子)に反映させる方法を提案したい。リスクプレミアムを含む割引率決定の困難さから解放されるために。
PDF形式で新しいウインドウが開きます。
No.12 動的DCF法の鑑定実務適用への課題 動的(ダイナミック)DCF法を実際に実務に適用しようとする際に、問題になることは何か。 日本不動産鑑定協会と韓国鑑定評価協会の共催による「第4回日韓鑑定評価協力会議」(2005/4/21)における研究発表のために執筆した論文です。
PDF形式で新しいウインドウが開きます。

旧「不動産投資理論の新展開に向けて」から改題

 このコーナーは、当初「不動産投資理論の新展開に向けて」というタイトルでスタート致しました。不動産投資も金融商品等への投資と同列に考えることができるはずとの考えに基づき、 また、今後金融工学的アプローチが積極的に取り入れられてゆくであろうことを予見してのことでした。
 近時、不動産金融工学という名が、ようやくわが国でも定着しつつある状況において、益々両者の垣根が低くなり、鑑定理論の全般にわたって、 従前の考えにとらわれない新発想を受け入れる土壌ができつつあるように思います。そこで、鑑定のあらゆる場面に金融理論を取り入れてゆきたいという思いから、改題いたしました。
 なお、下記は、その開設当初の扉のことばです。

2000年10月


不動産投資理論の新展開に向けて

 高度経済成長からバブル期まで一貫して、不動産投資において最も重要なことは、できるだけ値上がりの期待できる土地を保有することでした。
 その望みがほぼ断たれた現在、不動産市場が冷え込んだままなのは、我々の不動産に対する認識が、未だに変わっていないからではないでしょうか。地価はいつ底を打つのか、という声もそうですし、相変わらず、マイホームを持つことが一生の夢という普通の人々の考え方にもそれが現れています。
 私は、土地を保有することを悪いと言うつもりはありませんし、家を持ちたいと願う普通の人々の夢を否定するつもりもありません。ただ、持つことイコール安定とか、持てば得をするという考え方が根強いとするならば、そのことが正常な不動産投資市場の発展を阻害する恐れがあるのだという警鐘を鳴らしたいと思います。
 無論、キャピタルゲイン期待そのものは、悪でもなければ、善でもありません。不動産投資における期待収益には、インカムゲインとキャピタルゲインの両面があり、その両者を的確に予測することは不可欠です。
 昨今のように、キャピタルロスを前提としなければならない場合、投資収益に対するよりシビアな判断が求められます。
 不動産は、金融と一体になる。実は、今に始まったことではなく、以前から既にそうだったはずです。地価の不可逆的とも思えた上昇が、不動産に向かう金融関係者の目を曇らせていただけです。
 金融の分野で用いられている様々な投資理論は、不動産にも応用できるはず。既に多くの方々が、その試みを展開しています。例えば、近年発展した金融工学も、不動産投資に応用できそうです。
 その新しい学問領域を、不動産投資工学(Realty Investing and Financing Engineering)とでも名付けてみたいと思います。決して金融に明るいわけではない私が、無鉄砲にもそんなことを思い立ち、稚拙でもいいから勉強を始めてしまおうというのが、このページです。
 したがって、ここで展開される議論は、とても研究成果などと呼べる代物ではなく、筆者の独自学習の軌跡であったり、感じたことを表明する一種のコラムといったレベルに過ぎません。同じように新分野に興味をお持ちの方に、いち早くこの冒険をお伝えする場とさせていただきます。
 中途挫折を覚悟しつつ、このページをスタートいたします。

Spring, A.D.2000

不動産鑑定士 堀 田 勝 己


No reproduction or redistribution is allowed without permission. / copyright © HOTTA, KATSUMI 1999- . All rights reserved.

HOME 当サイトの開設にあたって 私の主張 鑑定と金融理論の融合に向けて 小論文集 更新履歴 リンク集 独自ドメイン